日本エムティ株式会社 for the next Surface 表面処理の可能性を求めて

ドライ潤滑コーティング 耐摩耗コーティング

二硫化モリブデンMoS2・グラファイトを高濃度に含み、且つ硬質樹脂をバインダーとし ている事から、高荷重下における耐摩耗性に優れ、耐久性の高い皮膜形成となって います。二硫化モリブデンやグラファイトの性能を極限まで引きだす事が可能です。フッ素樹脂コーティングの使用ができない分野での低摩擦性、耐摩耗性に優れます。低速から中速の比較的荷重の高い摩擦摩耗の低減に優れたコーティングです。潤滑性による低摩擦性と耐摩耗性の両立が可能であり耐熱性にも優れますので幅広い温度領域で適用可能な表面処理技術です。

耐摩耗コーティングを行う主な目的は高面圧、高荷重下での耐摩耗性に優れることからエンジン、エンジン排気系部品への適用等があります。

コーティング皮膜製品紹介

品名 固体潤滑剤 鉛筆硬度 動摩擦係数μ 静摩擦係数μ 耐熱温度[℃] 特徴
MD1900 二硫化モリブデン
グラファイト
4H 0.16 0.24 約350 耐荷重、耐久性、耐熱性に優れる。
MD2810 二硫化モリブデン
グラファイト
2H 0.12 0.17 約300 初期馴染み、耐熱、耐荷重性に優れる。

※二硫化モリブデン
二硫化モリブデンは化学記号MoS2と表記され、1個のモリブデンと2個の硫黄からなる化合物です。層状の結晶構造からなり、それがせん断される事で低い摩擦係数を発揮します。特に高荷重下での摩擦摩耗の低減に硬化を発揮します。耐熱温度は約350℃。

※グラファイト
グラファイトは二硫化モリブデンと同様に層状の結晶構造がせん断される事により低い摩擦係数を示します。二硫化モリブデンと比較して摩擦係数、耐荷重性は劣りますが熱的安定性に優れており、高温下での使用も可能です。耐熱温度は約550℃。熱伝導性、導温性にも優れています。

耐摩耗コーティングMD1900 摩擦摩耗テスト

ピン
: Fe材(S45C)
ディスク
: AI材(AC8A)クロム酸処理(下地処理)
回転数
: 2,865rpm
面圧
: 300kgf/cm2
使用オイル
: PAG系合成油
試験時間
: 120分(μ=0.3でリミッター作動)
耐摩耗コーティング
MD1900
スズメッキ NiP-PTFE
外観
終了直前の摩擦係数 0.02 0.11 0.04
摩耗量 4μm 焼き付き(7分) 素材まで到達
採用例

ピストンリング、排気系パーツ、プランジャー、シリンダー、船外機ピストン、ハンガーチェーン等