低摩擦性とは
接触する二つの物体が、転がりや滑り等の動きをする場合、接触面にはそれらの運動を妨げようとする方向に力が働きます。これを摩擦力と言います。
摩擦力が大きいと、凝着や焼き付きが発生し易く、摩耗を促進します。
この様な摩擦抵抗を小さくする為に、素材の表面粗さを小さくしたり、表面処理を行う事で、
滑り性を高めたりします。表面の低摩擦性を得るにはオイル、グリス等の油脂類が一般ですが低摩擦性に優れた表面処理の選定が重要になります。
ドライ潤滑コーティングは、樹脂バインダーの中にPTFEフッ素樹脂(通称:テフロン)や二硫化モリブデンといった低摩擦性に優れた固体潤滑剤を含んでおり、滑り性を高める事ができ、オイル、グリス潤滑に比較して高温部での使用も可能です。また、窒化ホウ素やグラファイトを含むことで、摺動性や500℃以上の高温下での潤滑性を得る事もできます。用例としては自動車エンジンピストンのスカート、ソレノイド鉄心、コンプレッサーローター、ベーン、真空装置部品、半導体装置部品、食品機械等があります。コーティング膜はドライ皮膜ですがオイル、グリスとの併用も可能であり更なる低摩擦化を得る事が可能になります。また摩擦力の大きいゴム、フィラーが配合された樹脂にもコーティングが可能でゴムの低摩擦化によるねじれや破損の防止、固着防止、ガラスフィラーが入った樹脂部品の相手材の摩耗防止にも利用されています。
高機能樹脂コーティングは、PEEK(ボリエーテルエーテルケトン)樹脂や、ポリイミド樹脂自体の滑り性が高く、低摩擦性に優れ、硬質な皮膜を形成します。ポリイミドコーティングは絶縁性にも優れています。
無電解ニッケルメッキシリーズでは、潤滑性能を持つ微粒子、PTFEフッ素樹脂や窒化ホウ素を無電解ニッケル皮膜中に分散させることにより、摩擦を減らし、摩耗を低減させることが可能です。同時に耐焼き付き性、離型性の向上といった機能も付与でき半導体設備部品、樹脂成形金型、食品包装機械等に使用されています。。
DLCコーティングは、低摩擦で潤滑性に優れた高硬度な皮膜です。金型や部品等に適用されています。非鉄金属、アルミや銅、メッキ鋼板のプレスや鍛造加工では耐凝着性に優れていることから金型の長寿命化に貢献できます。DLCコーティングはダイヤモンドライクカーボンと呼ばれ、ダイヤモンドとグラファイトの特性を併せ持ったと特徴があり結晶構造は非結晶アモルファスで非常に硬度が高く、低摩擦性に優れていることから、あらゆる分野、食品薬品、半導体設備部品等に採用されています。
弊社では、使用用途により、あらゆる表面処理の中から、最適な皮膜をご提案致します。
プレーティングサーフェス
無電解メッキシリーズ
無電解メッキシリーズは各種合金メッキ及びコンポジットメッキが可能です。通電を必要としないメッキなので、セラミックや樹脂の様な不導体にも処理が可能です。また、膜厚の均一性に優れており、精密部品や金型へ処理も行っております。また、細溝・細穴にも処理が可能です。
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