日本エムティ株式会社 for the next Surface 表面処理の可能性を求めて

PVD・DLCセラミックコーティング
セラミックサーフェス

DLCコーティング

DLCコーティングとは?

DLCとは(Diamond Like Carbon)の略称です。
「C」カーボン を主成分(骨格)とした皮膜です。
ダイアモンドとグラファイトは共に炭素原子の集合体ですが、熱伝導や硬度、カーボンの結晶構造に違いがあります。

ダイアモンドは非常に硬質な物質です。立体的に共有結合しており、結合自体がとても強い為、自己潤滑性はありませんが、熱伝導率も高く、電気絶縁性に優れます。
グラファイトは平面状で共有結合しており、層状の結合は弱く、軟質ですが潤滑性があります。

DLCコーティング膜はダイアモンド構造(SP3結合)とグラファイト構造(SP2結合)の中間構造を持ち、非晶質構造(アモルファス構造)を特徴としています。

DLC膜は成膜方法の違いにより様々な特徴を持ちます。
ダイアモンド構造(SP3結合)に寄ると非常に高硬度な皮膜になり、グラファイト構造(SP2結合)に寄ると低摩擦性に優れた軟質な皮膜になります。

DLCはダイアモンドとグラファイトの両方の特性を持ち、低摩擦性、耐摩耗性に優れた皮膜です。

DLCの特徴

低摩擦性
・・・
摩擦係数は0.1μ以下。
耐摩耗性
・・・
Hv2000~Hv7000程度の高硬度。
化学的安定性
・・・
化学的に不活性で安定しており、他の物質との結合が起こり難い(耐凝着性に優れる)。
また耐食性も高い。
低温処理
・・・
200℃程度の低温処理が可能であり、鉄、非鉄金属に限らず一部樹脂にも処理が可能。
電気特性
・・・
抵抗値が高い。

DLCの種類

DLCの種類は水素(H)を含む水素含有DLC(a-C:H、ta-C:H)と、水素を含まない水素フリーDLC(a-C、ta-C)に分別されます。
水素含有DLCは、無潤滑下での摩擦力が小さく、表面の平滑性に優れます。
水素フリーDLCは高硬度で耐熱性が高く、潤滑下では油との親和性も高い事から、より低い摩擦力を得る事が可能です。

それぞれのDLCコーティングの特徴を考慮して適用選択する事が重要になります。

DLCの適用分野
  • 各種金型
    粉末成型用金型、非鉄金属加工用金型(プレス、鍛造)、金型周辺ピン、治工具等
  • 刃物
    樹脂フィルム切断用、金属箔切断用、ゴム切断用等
  • 摺動部品
  • 輸送用機器部品
  • 各種ローラー

DLCコーティング ラインナップ

DLCコーティング